中村幸久/takahisa nakamura 【中村木工】
   
    1973年大阪府生まれ
    大学卒業後、京都市内の木工所に入社。
    奈良市内の家具店(製造部門)勤務を経て
   2003年に独立し、中村木工を立ち上げる。
    2008年に工房を兵庫県から滋賀県に移転し、
   同年大津市に「stork」をオープン。
   2014年に「stork」を閉店。
   大津市内の工房にて製作を続ける。





 storkとは「コウノトリ」を意味します。

 兵庫県北部の豊岡市から越してきて半年。
 2008年の半ば、大津の静かな旧市街地の街並みのなかに、ぽつんと佇む一軒の空き家を見つけた。
 倉庫にするつもりが、自分たちで改装をするうち、店になっていった。
 店名はすぐに決まった。
 生まれてくる子ども、但馬のコウノトリ、
 自分の作る家具がお客さまに幸せを運べるように…

 特に手先が器用なわけでもなく、それらしいセンスがあるわけでもなく…
 どちらかといえば両方とも苦手だったはずの自分が、いつの間にか家具を作ることを仕事にしていた。
 手に職を。そう思ってこの仕事に飛び込んだ当時は、独立して店を持つことになるなんて思ってもみなかった。

 使う人とじかに話をし、想像して、提案して、煮詰めて、作って納める。
 そうして喜んでもらう顔を見るのが本当にうれしい。
 これだけのために家具を作っていると言ってもいい。
 おかげで今まで作り続けてこられたし、これからも作り続けていくのだと思う。

 僕は家具を作ることが好きなのではない。
 自分が作った家具で、ほんのちょっとでも喜んでもらえることが好きなのだ。